皆様はじめまして。香久山鞄店のヤスミンでやんす!
よちこさんと、金平糖さんと、フェルナンデスくんと一緒にコラムを担当することになりました。今日は最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
このところお財布ネタが多かったので、今回は、期待を裏切らずに、
やっぱりお財布です★ と言っても、今までご紹介してきたお財布とは一線を画する何かがあるのです! 何?
香久山鞄店始まって以来、初のピンク導入! しかもケチなこと言わずにいきなり長財布です。小銭入れから試すなんてチマチマしたことをするお店ではありません。 新しすぎて、サイトの商品登録で困ったくらいです。なんせピンク、という色が存在していなかったのですから。
これが全6色で、
こちらが今回の「目玉」です。古いですか、この言い方。
爽やかなピンクが、表面のワックスと相まってキレイです。 勢い余って、グレーの内装にもピンクを使っちゃいました。 なんて、間違えて使ったんじゃないんですよ。 この長財布は、6色展開の全てで表側の革と内装の革を色違いにしています。 そして、ファスナーの色も遊んでおります。
楽しいっす。 それぞれ面白みのある組み合わせなので、プレゼントするのと、ワタシのと、ついでに(?)オカンにも、オトンにもあげよう、といくつか欲しくなりませんか。ワタシはなっちゃいました。 おお、もうすぐ母の日、父の日もくるじゃないですか!
自由なトリコロール。あ、内側の一部は薄グレーのシャンタンだから、4色? 4色使いってなんて言うんでしょう。ここで雑学をわけてもらいました。さすがブラジル人、ラテン語群(ポルトガル語)圏のフェルナンデス君によるとラテン語の1,2,3は順に ・uni (ゆに、と読むのかしら。まさか、うに?) ・bi (ばい?び?) ・tri (とり?トライ?) で、いろんな言葉の一部となって単語を作っています。 自転車は bicycle、タイヤが2つありますもんね。 三角形は triangle。
でもって 2色を組み合わせたらバイカラー、3色はトリコロール(これってフランス語風なのかしら……)。 ついにここまで来ました、4色使いは??
数字の4はラテン語で quadr (なんて読むのでしょう。クアドル?) でも、なんでじゃ!? 単純にquadricolor としてネットで調べても、でてきません。蘭の花の画像が出てくる。あれ~。 4重奏ってカルテットですよね。 エクアドルは関係あるのかと思って調べたら、Wikipedia先生曰く「エクアドルはスペイン語で赤道」…。 あとは、これくらいしか思い浮かびません。
1973年に発売されたザ・フーのアルバム『四重人格』“Quadrophenia” 。 そうか、4ですね。 バンドのメンバー4人でしたね。
数字に気を取られているうち、遠くまで来てしまいました。で、今このジャケットを見て長財布のことをすっかり忘れていたことに気づく。
ザ・フーのレコジャケのスモークを見て思い出しました(何のスモークじゃ?あまり追求してはいけないことかもしれません)。もう一つ大事な能書きがありまして。
この革、最初からいい味出してます。ワックス仕上げなのですが、ブライドルレザーの作り方とは異なるようです。革の表面を加工してからワックスを定着させているので、ゆっくりとワックスの落ち方の変化を楽しんでいただけます。 ワックス、と書きましたが「ロウ引き」という方もいらっしゃいます。蝋です。 ブルームという言葉も耳にしますが、ブルームとはもともと、ブライドルレザーに染み込んだオイルやワックスが時間の経過によって白い粉状になって浮き出た状態のことをそう呼んでいました。 ただ、本物正統派重厚正真正銘のブライドルは、それはそれで扱いも大変なので、その雰囲気に倣った革が出てくるようになってきました。
そうやって、新しい効果や作り方って生まれるんでしょうね。面白いですね。
タンナーの名前は La Perla Azzurra といいまして、またまたフェルナンデス君によると、青い真珠という意味ですって。なぜ、革なのに?? そして、革の名前がAlaska。わかるような、わからないような。
むか~しの話ですが、イタリアで革の展示会にいったら、あるイタリアの大手タンナーが 『OSAKA』 『NAGOYA』 という革をだしていて笑ってしまいました。 べつに、OSAKAがヒョウ柄だったとか、NAGOYAがシャチホコがらだったとか、そんなことはありませんよ。もう、名前を毎回考えるにも限界がきたのでしょう。 それと比べたら、『アラスカ』のほうが革っぽいではないですか。
そんな枝葉の話を別にしても、この革おすすめいたします。お財布は、何年も使うことも考えると、素材大事っす。
押忍。(あら、わたし、フェルナンデスくんじゃないですよ。)
香久山鞄店 ヤスミン