鞄コラム

2018/11/22 | 琵琶湖の水で作られる名帆布。

革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店スタッフのよちこです。従来の帆布にはない大人のおしゃれさを兼ね備えたちょっとプレミアム帆布。今回の鞄コラムでは防水帆布「ドゥーマンフレーバー」についてクソ真面目に書いてみました。

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「高島しぐれ」によって生み出される帆布

滋賀県は琵琶湖。湖西のほとりに工業用帆布を生産する地域があります。そこで昔ながらの方法で作られている帆布が、知る人ぞ知る「高島帆布」です。


「高島帆布」は倉敷帆布のようにアパレル的な打出しをすることもなく、あらゆる工業製品の補強素材として、文字通り裏方的に使われてきました。その歴史は古く、江戸時代にまで遡ると言われています。


この高島産の織物を高い品質に仕上げている秘密、それには日本最大の湖である琵琶湖と地域独特の風土が大きく関わっています。


高島市は、若狭湾から吹く季節風が山にぶつかることにより、特に晩秋には雨雲が発生しやすい地域です。そのため高島市周辺は『高島時雨(しぐれ)』という言葉もあるほど雨が多く、年間を通じて湿度が高いため、製糸業にとっては抜群の作業環境といえます。


なぜなら湿度の高さは、糸を紡(つむ)いだり、撚(よ)ったり、織ったりする時に糸が切れるのを防いでくれるからです。この安定した湿度に守られることによって、高島帆布は生み出されています。高島の帆布は水から作られる、といっても過言ではありません。


帆布は伝統的に産業生活資材として用いられてきたため、かつては撚糸をどこに何本使うかというところまで規格で厳密に決められていました。日本工業規格 JIS-3102[綿帆布]という規格です。こちらは1997年に廃止となっておりますが、高島産の帆布は今もこのJIS規格に準じて生産されています。


琵琶湖の風土によって育まれた素材のよさと、手間を惜しまない確かな製法、これが高島帆布ならではの魅力となっているのです。

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