鞄コラム

2018/08/26 | パラフィン加工とパラフィン帆布

こんにちは、革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店スタッフのよちこです。

今回は帆布のパラフィン加工について書いてみたいと思います。


さてパラフィン加工でググってみると、ほぼ日刊イトイ新聞がトップに表示されます。帆布かばんの専門店として、正直これは悔しい。できればほぼ日に勝ちたい。いや、勝たんでもいいから、せめて検索結果の1ページ目、7番目あたりに表示される程度にはなってみたい。ってことで、コツコツ地道にがんばります。

目次

パラフィン加工とはなんぞや。

paraffin_description_canvas

パラフィン加工とは、帆布などの生地にロウを染み込ませることで撥水効果をもたせる、昔から使われてきた防水のための技法です。


パラフィン加工をほどこした帆布のことをパラフィン帆布といいます。蝋引き(ロウビキ)帆布とも呼ばれることがありますが、呼び名が違うだけで加工方法は同じです。


パラフィン帆布は、生地の中でパラフィンの成分が固形化しているため、折り目をつけるとパラフィン成分が破断して白化したり、独特のチョークマーク(チョークで引っ掻いたような白いすじ)が出来たりします。この変化がたまらなく面白いんです。


でもパラフィンって、ちょっと聞き慣れない言葉ですよね。パラフィン(paraffin)ってのは、要するに石油から作られたワックスのことを言います。


ほんならワックスってなんですの?


ワックスを日本語で言い換えると、蝋(ロウ)のこと。なーんだロウソクのことかと思いきや、じつは定義がけっこう難解であります。ざっくり言うと、広い意味でワックスというものがあって、そのうちの1つの系統がパラフィン(ロウソクのロウ)なんだな、ぐらいに思っておいてください。


よくわからんと思いますので、わかりやすく悪の秘密結社ショッカーにたとえて説明してみます。

ショッカーにたとえてみた。

ショッカーの組織図で置き換えすると、だいたいこんな感じになります。即興で書いた手書きゆえ無作法お許しあれ。

canvas_paraffin_treatment

ショッカーの大首領が、全てを統べる謎のワックス/ロウ。その正体は永遠に不明です。声は銭形警部の中の人、納谷 悟朗さんです。


次が大幹部クラス。ゾル大佐、死神博士、地獄大使などに相当するのが、動物系ワックス、植物系ワックス、そして石油系ワックスです。中間管理職は辛いと相場は決まっているが、この人たち、皆パワハラ上司っすよ。ゾル大佐なんて服装の乱れでソク処刑だもんなぁ。やだやだ。パラフィンは石油から作られるため、石油系統に属します。

 canvas_paraffin_treatment

ショッカー大幹部オールスターズ。よく見ると、ちがうとこの大幹部が混じっているぞ。君にはわかるだろうか。


で、その下が怪人。幹部クラスでしょうか。つまりパラフィンは怪人に相当するわけです。なかなかエリートですね。名前は…「怪奇ロウソク男」とかそんな感じ。うわーめっちゃ弱そう。


でもって最後が皆さんご存知の戦闘員です。タイツ姿でイーッとか言ってんの。組織図では末端にあたるため、商品を例といたしました。だがクレヨンをクロヨンと書いていることに気がつき愕然とする。そもそもパラフィンを象徴するメジャーアイテム、ロウソクさんが入っていないではないか。このばかちんが。

ロウの種類について

パラフィンが何なのか、ロウって何なのか。わかったような、やっぱりわからんような。ここからは、そんなあなたのために具体的なブツでご説明していきたいと思います。

ロウソクオールスターズ,蜜蝋,和ロウソク,洋ロウソク


向かって右から、ミツロウ、和ろうそく、そしてただのロウソク。3つそろって「ソフ灯火オールスターズ」です。往年のWIZファンには感涙モノですが、この元ネタ誰がわかろう。古すぎてカビが生えるわ。さてメンバーそれぞれに特徴がありますんで、ちょっとだけ説明せねばなるまい!

candles_beeswax

蜜蝋

ミツロウ(蜜蝋、Beeswax)はミツバチの巣から取れる蝋を精製したものです。このロウソクは知り合いの養蜂家さんからミツロウをいただいて自作しました。もったいなくて一度も使ったことがないまま、はや5年が経過しておりますが作ったときのまんま。ミツバチってすごい。石油由来のロウソクが発明される以前の中世ヨーロッパでは、ロウソクといえばコレです。

candles_beeswax

日本伝統の和ろうそく

櫨(ハゼ)の実から搾り取った木蝋から作ったものです。ハゼは、童謡「ちいさい秋みつけた」の3番で歌われています。「目隠し鬼さん 手のなるほうへ」の1番は歌えても3番となると、ほとんどの人は知らないんじゃないでしょうか。


こちらのロウソクは仏壇からちょっと拝借しました。菖蒲の絵入りで高級感このうえなし。


ミツロウよりも遥かに複雑で手間のかかるのが和ろうそくです。たとえば上が太いのは、蝋が減っても炎の高さが変わりにくいようにとの配慮なんだとか。細かいことまで心を配る、奥ゆかしい日本人の精神性をみごとに表しております。

candle

ちっぽけな、ただのロウソクさ。

ただのコックではない、ただのロウソクです。実は特殊部隊にいた過去などはありませんが、石油からわりと簡単に精製できるため世界中に広がりました。次回は、このどこでも手に入るロウソクを使って自家製パラフィン加工に挑戦してみたいとおもう。ヤルッツェ!