鞄コラム

2019/02/08 | 革製品の経年変化とちょっとユニークなお手入れ方法。

こんにちは、革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店スタッフのよちこです。


革製品って使わないとわからないことはたくさんありますが、その中でも革の経年変化とお手入れ方法についてご質問をいただくことが多いです。ってことで、

今回の鞄コラムは「革製品の経年変化とちょっとユニークなお手入れ方法」について当店らしくまとめてみました。


5年ぐらい放置したショルダーバッグ。

革ショルダーバッグ

画像のショルダーバッグ、使用年数は7年。過去、1回ほどメンテナンスしましたが、5年ぐらいは放置しておりました。あまり使用はしておりませんので傷みは少ないほうではないかと思われます。


しかしながらさすがに、5年間お手入れ無用というのは職業倫理的に、ちょっと許されざる感じがいたします。Unforgivenであります。これまで鞄のプロだなんて言っておりましたが、これからは(自称)鞄のプロぐらいでちょうどいい。もっと謙虚に生きていこう。


革のメンテナンス、ビフォーアフター。

革ショルダーバッグ

上の画像ではわかりずらいですが、メンテナンス後はオイルが入ることで色が濃くなり、革の艶が少しおさえられております。強さの中にもモチット感(モチット感ってなんだ?)が感じられる革なのですが、革のタッチが更に柔らかくなり、シットリ感が増しました。いわゆるプルアップした状態です。


革ショルダーバッグ拡大

わかりずらいのでつまんでみた。おわかりだろうか。


「わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ」


発作的に松鶴家千とせのネタをぶっ込みましたが、分かる人はどれだけいるのだろうか。当時わたしの中でアフロといえば、この人か警官コントの小柳トムでした。その後イデオンのユウキ・コスモを経て、ジミ・ヘンドリックスにたどり着くことになるわけですが、このあと延々と続く「私とアフロ」ついてはそのうち自費出版という形で発表してもらうとして、今日は革のお手入れについてお伝えしなきゃ。


革のお手入れマル秘テク「汚し塗り」

マル秘というほどのことではないのだが、ちょっとした裏技というかテクニカルな部分を取り上げてみたいと思います。こう書いたほうがどうにか見てもらえるのではないだろうかというスケベ根性がちらつきます。お手入れの手順とかはきっとヨソでも書いていることなので、ここでは重要なポイントだけ。


革にオイルやらクリームやらを塗る場合、「均一に」「ムラなく」というのが一般的なメソッドですが、使い込んだ革には「汚し塗り」を試してみるのが面白いです。

革ショルダーバッグ拡大

(汚し塗りが)ないときー


革ショルダーバッグ拡大

(汚し塗りが)あるときー

関西人にしかわからない551の蓬莱ネタ炸裂です。関西に来たら買うて帰ってや。おいしいで。551の豚まんはともかく、使い込んで銀面がはげた革ほど面白いくらいにオイルを吸ってくれます。角のあたりなんかは焦がしプリンみたいだ。


この「汚し塗り」とはいかなるものか。要するに、濃淡なんか気にせず自由に塗ってしまうという、じつに身も蓋もないフリーダムな塗り方です。ところがこれがハマると面白いんですよ。幼児がクレヨンでグルグル書きするかのように。魚のような目で、無心で挑みましょう。終わったあとには何か吹っ切れた気がいたします。


革のお手入れマル秘テク「油引き」

革,お手入れ

クリーム、メガ盛りで。

バッグには縫製した糸目(ステッチ)があります。なるべくここにはクリームが入らないように気を使う部分ですが、ここにもクリームを塗ってしまいます。というのも、糸に油分を塗ると、切れにくくなるからです。まさかと思うかもしれませんが、本当の話です。それにしても画像のは盛りすぎですね。


なお「油引き」という言葉は今さっき思いついた造語です。検索してもたこ焼きのときに使うあいつぐらいしかヒットしやがらねぇのであしからず。


革,お手入れ

糸にも塗ってみた。

考えてみたら、手縫いでもわざわざ糸を蝋引きしたりするくらいですから、理にかなっている手法といえます。ただし塗り込み過ぎて汚れを呼ばないように気をつけてくださいね。