こんにちは、革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店スタッフのよちこです。
今回の鞄コラムのテーマは「帆布のバッグ、20年使ったらこうなった」です。使用歴1~2年はザラにあるとして、3~5年となるとかなりスゴイ。10年以上なんて鬼ですよ。10年をブッチギリで超越して20年バッグを使うと、鬼を通り越して一体どうなっちゃうんでしょうか。
そんなわけでさっそく自分が所有している鞄の中で、いちばん古いかばんをご紹介したいと思うわけなんですが、いちばん古いかばんを紹介といいつつも、どういうわけか香久山鞄店にタイミングよく再入荷しており、これまたタイミングよく商品ページがリニューアルされております。これがコンテンツマーケティングというやつだろうか。
今回のブログでご紹介する商品はこちら
ロウビキ帆布の2WAYボディ&ウェストバッグ
この商品と私は、はや20年にも渡る腐れ縁がございます。いったいどんな因縁が絡んでいるのだろうか。べつに知りたくもないかもしれないけれど、よかったら読んでください。
おいどんが初めて買った帆布鞄
自分が持っている中では一番の古株、ロウビキ帆布の2WAYボディ&ウェストバッグです。購入したのは今を遡ることだいたいウン年前。(いや、さっき20年にも渡る腐れ縁って書いてあったぞ)先程の新品と比べて、だいぶやれておりますが、なんのなんの。今でもバリバリの現役で使っているバッグです。
20年前、何を血迷ったのかインドネシアのバリ島で1ヶ月くらいインドネシア語とオマケに絵の勉強をしたことがあるのですが、当時はスーツケースとかキャリーケースなんてものは高すぎて手が届かず、使い古しの登山用リュック1つでインドネシアに乗り込む予定でした(たしかARC’TERYXだったはず)。使い古しの登山用リュックって書いたら登山家みたいに思われますが、誤解のないように言っておくと、当時の私は山なんて登ったことは一度もなかった。
ARC’TERYXのリュックは始祖鳥の化石のロゴがかっこよく、当時は持っている人もいなかったのでちょっとしたプチ優越感を感じていたのですが、友人からは「カエルが踏まれたやつ」という、ありがたくないあだ名をつけられるなどで大いに憤慨。と同時に、由緒ある始祖鳥のベルリン標本のオマージュをカエルの轢死体に変換させる友人のバカ発想に「なかなか面白いではないか」と妙に感心もしたものです。
20年前は、ロウビキ帆布のウェストバッグだった。
ロウビキ帆布の2WAYボディ&ウェストバッグは、メインのリュック以外に携帯できるサブバッグがないことに気がつき、というか友人から「このままではオマエは初日で野垂れ死ぬ、海外なめんな」と物腰やわらかく親切に指摘され、出国直前になってから、大阪と神戸のかばん屋さんを探し回った末に手に入れたバッグです。当時はボディバッグなんてシャレた名前は存在せず、ウェストバッグとかウェストポーチなどと呼んでおりました。
当然ながら、私もこのバッグをウェストバッグとして購入しておりますので、斜めがけで体にまとって使うなんて裏原系スタイルなどは思いもよらず、腰に回したり、あるいはショルダーバッグのように肩にかけてだらしなく使っておりました。オシャレな裏原系とはおよそ似て非なるものながら、原宿裏通りキャットストリートのさらに裏、裏原宿マンホール下ぐらいには近づいていたのかもしれない。
今、当時持っていた服を着ようものなら、「古いねぇ、クサイねぇ、ダサいねぇ」の地獄の三重奏が奏でられること必至ですが、このロウビキ帆布の2WAYボディ&ウェストバッグに関していえば、ミリタリーファッションに独自のエッセンスが加わり、無骨さに満ち溢れております。ファッションアイテムというよりも、むしろ道具といったほうが合点がいくような気がします。
さてバリ島におけるロハス生活では、このボディバッグがあまりに使いやすくて便利だったのですが、次回はこのバッグが海外旅行で具体的にどう便利だったかについて、20年前の記憶を思い出しながら書いてみようと思います。
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因果律によって、束ねられし糸は、今結ばれた!