こんにちは。革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店スタッフのよちこです。
財布ばかりで、そろそろバッグの記事も出しておかないと鞄コラムではなくなってしまうので、今回のコラムはバッグについて書いてみたいと思います。
お財布もいいけど、かばんもね。
赤さび染め帆布のボディバッグ。4年目のレッドです。
赤さび染め帆布といえば、旧サイトの黎明期から10年以上続く当店の看板商品・定番商品。 画像のモノは4年間使用した赤さび染め帆布ボディバッグ bpkbs5302です。君、ちょっと見ないうちに変わったねー。いやぁすっかり変わっちゃいましたよー。
赤さび染め帆布で、世界で1つの経年変化が味わえます。
赤さび染め帆布は鉄分を媒介とした媒染剤を用いて、一種独特のムラ感が生じるように作っております。サビの塊を入れてるんじゃないんですよ。でも作っている工程中で酸化してしまうので、ある意味サビを入れているに等しいのかもしれない。窯で色を染めながら並行してさび染めをおこなうため、製品1つ1つが異なった風合いの生地となります。
革とか金具パーツの経年変化もすごかった。
かぶせ革付属の馬革、けっこうな経年変化。
ここに使っている副素材はなんですかと度々聞かれるのですが、馬革です。馬革もバッチリバチバチにエイジングしております。エイジングも経年変化も、とどのつまりはどっちも一緒の意味です。時間が経って革がどんな具合に変わったかということなのですが、とどってなんでしたっけ。
かぶせ革付属の馬革、ええエイジング。
ちょっと角度を変えて写してみました。ふちのあたりに、艶・テリ感が出ているのがはっきりわかります。この味わいは新品のときでは出せません。
革の引き手は、別次元の領域に到達。
メイン収納部分を開け締めする引き手はこのバッグで最も触る部分です。ここの革がもっとも強く経年変化しておりました。
かぶせ切り返し右側の革。経年変化。
かぶせ切り返し部分にも馬革を使っております。向かって右手側の革です。摩擦が多いためか、かすれたような風合いに。他とはまたちがった趣(おもむき)があります。個人的にはお手入れクリームをしっかり塗ってあげたいと感じるところです。
かぶせ切り返し左側の革。経年変化。
向かって左手側の切り返し革です。革のもつ凹凸感が強調されて、ダイナミックな風合いに変化している点に注目です。新品のバッグを買うときにはボコボコした革だと敬遠する人が多いのですが、実はボコついてるほうがよろしいのです。革の起伏がそのまま、表情の豊かさとして育ってまいりますので大当たりを引く可能性大です。起伏に富んだ革製品を選び始めたら、あなたは立派な革マニアです。傷がどうのシワがこうのと言っていた、あの頃には戻れない。
おまけ。金具パーツも磨かれてエイジング。
バッグのデザインアイコンとなっているハトメホックも、摩擦でアタリがしっかり付いてました。