皆様こんにちは。
柿渋染めバッグの特集記事を書き始めた際に、15型あるので順番を慎重に考えようと思いました。その中で、温存していたのが本日ご紹介するこちらです。
帆布で、上品なビジネスバッグ
巷に帆布を使用したビジネスバッグ数あれど、この手間のかかった造りと、シリアスさは他では見られません。
ダークブラウンのヌメ革と合わせて、重厚です。付属部分を革にしています、だけでは済まない革部分の存在感。
強度の確保と見た目、両方の観点から2重に革を重ねている根革部分。黒ニッケルの金具も全体を引き締めます。
もちろん、柿渋染めの風合いが主役なことには変わりありませんが、帆布バッグでここまでビジネスっぽい雰囲気に仕上がるというのが、驚きです。
ビジネスっぽいだけではなくて、エレガントさもありませんか。
〈マイスター〉と名付けられた柿渋染めバッグは3型。他の柿渋染めバッグシリーズよりも、ちょっと装飾的。同じ素材でもこれだけ雰囲気が変わるところがまた面白いです。
スーツに合わせるには、色が明るすぎるのでは、とご心配になる方もいらっしゃるでしょうか。紺のジャケットと並べてみました。
いえ、まさか派手過ぎにはならないですよ。なんせ落ち着いた柿渋染めなのですから!
グレーのスーツが無いのが残念です。
この色合い、グレー系にも紺系にも優しくまとまって、キレイです。
使い勝手を復習。ポケットなら任せて下さい。
これまで柿渋染めバッグのご紹介をしてきた中で、特徴的なことの一つにポケットが充実していること、というのがありました。こちらも多分に漏れず、至れり尽くせりです。
あおりポケットが両面にあります。
ものを入れても開いてしまわないよう、マグネットがついています。
その上、片面にはファスナーポケットも。
同じ側には、前述のあおりポケットの中に小物ポケット2つ。
この2つが、口の部分がちょっとだけ立体的になっているのもポイント。おかげで非常に物が出し入れしやすいし、ポケットの入り口付近がダメージを受けることも軽減されます。
内側を見てみましょう。
片面にはファスナーポケットと小物ポケット(すみません、ペンケースが可愛すぎました)。
反対側には全幅の平ポケット。
どこからでもかかってきなさい、と言わんばかりの充実です。
いつもの例にもれず、じーっとこのバッグを見ているうちに、あることに気づきました。
このバッグ、表裏がありません。ダブルフェイス。
一般的には内側のタグの付け位置などで表裏がわかるのですが、こちらはあえて両面が表としてつかえるようになっているようです。
ちょっと派手目のポケットのある方を見せたい日、シンプルに合わせたい日、どちらにしても表なわけです。
私なんかは粗忽者なので、バッグの表裏なんて気にしたことがないのですが、接客していると何度か訊かれたことがあります。
さあ、この存在感ある〈マイスターブリーフ〉。柿渋染め帆布が時間とともに味が出てきたらどんなふうになるのでしょうか。
お客様の中で何年かご愛用されている方、ぜひ画像をお見せ下さい。
香久山鞄店 二見