皆様こんにちは。
柿渋染めのバッグをご紹介し始めて、今回で6回目です。
これまでご紹介したバッグを一覧にしてみました。

その伝統技法と、工程にかかる時間、希少性により付加価値の高い柿渋染め帆布。これらのバッグは、カタチもディテールも大きさも、様々。素材以外の共通項は、ポケットがたくさんついていて、使いやすいこと。
今回は、これまでと少し異なります。内側の仕様はあっさりとしていて、その代わりにフリースペースが大きくとってあります。
ハンサムな柿渋染め縦型トートKA-3

なぜかこの縦長トート、男前な感じがします。
前回ご紹介した縦型ショルダーを見ていても思いましたが、
タテだと男っぽい感じがするのはどうしてなんでしょうね。
縦型のバッグを持っている男性が多いからそのイメージが定着したのか、あるいは縦長の四角形が男性の連想させるのか?? わかりません!

(この適度にくったりしている生地が、しっかりとして革の部分と合わさっていい味出しています)

私にわかることは、このバランスが格好がいいということ。
そして、ハンドルは残念ながらバッグを肩から掛けるには短すぎるのですが、短いからこそ、この絶妙なプロポーションだということです。
手持ちのシンプルなトートバッグをお探しの方には、個人的な好みでいうと一番のおすすめです。
「個人的に」とわざわざ書くには理由があります。
機能をごくシンプルに絞った潔さ。
先程も少し触れましたが、柿渋染めシリーズのバッグは基本的にポケット充実、機能満載です。
ところがこちらは、吊りポケットと呼ばれる作り方のシンプルなポケットが1セットあるのみ。

これが吊りポケット。ちなみに、サイズは 幅19×高さ11 が1つ、幅9.5×高さ9.5が2つです。大きいほうにスマートフォンが横向きに入ります。
不思議に思って、全体を今一度「じーっ」と見ているうちに、どうしてこれだけが例外的にシンプルに作られているのか理由が解った気がしました。

(この重厚な根革も好きです。きれいな仕上げは、裏から見ても完璧です。↓)

(パタン、とハンドルが倒れるのも、ツボです。もちろん好みによりますが)
ものを入れたときの無造作さも男前。
バッグも道具。使う人の仕草や動線、佇まいに関わります。
このバッグを使う人は、どういう感じなのでしょうか。勝手な想像をしてみます。
(ホワンホワンホワワワ~ン、です)
〈彼〉
このバッグを使う彼は、会社に行くにしてもさほど荷物が多くない。KIOSKで買った新聞をしゅっ、とバッグに差し入れることもある。帰りは、ちょっとした食料品を買ったらこのトートにいれてしまう。たまたま書類を持ち歩くなら、バインダーも入るこのバッグに入れていつもどおりの見た目。手荷物を増やさない。いつも涼しい顔をしている。

男前なバッグだからといって、男性だけに独占させるわけには参りません。

〈彼女〉
彼女は、肩にバッグを掛けない主義。姿勢を気にしているから。バッグの中身は、長財布、スマートフォンと化粧ポーチに、単行本と、エコバッグ。オープントートなので中身が見えないよう、上にスカーフをふわっと掛けている。電車の冷房が強すぎるときはそれを取り出して使用。このバッグは形が気に入っているので、ものをいれすぎないように注意している。時々、会社帰りにバゲットを買い、トートに入れて持ち帰る。それは時折、犬や小さな子供の関心の的になる。
と、いうわけで、女性の場合でもサバサバしたちょっと男前な人を想像してしまいました。

商品を前にして、これを買ってくれる人は、使ってくれる人は、どんな人だろう、と想像するのは非常に楽しいです。さて、このわたくしのイチオシトートバッグ、次に使い始めてくださるのはどんな方でしょう。
香久山鞄店 二見