帆布リュックを差し出す右手

こんにちは! 革と帆布のかばん専門店 香久山鞄店のスタッフよちこです。

今回のコラムは帆布のリュックをおすすめしたい4つの理由です。

リュックなんて、20年前に背負っていようものなら「どこの山に登るの? 」と言われたもんですよ。うるせぇ、きょうは高尾山に無酸素単独登頂だよ。

高尾山の大天狗

高尾山名物、天狗(うろおぼえ)

いまやリュックを持たずんば人にあらず。両手が空いて自由だし、たくさん入るし、すごく楽。そんなわけで年齢問わず、メンズ・レディースも関係なく大人気です。

帆布リュックと革リュック、どちらもオススメしたいのですが、今回は帆布リュックの方がオススメです。

なぜ帆布リュックがオススメなのか。

これまで10年かばん屋さんをやってきた経験を踏まえて、その理由と考えを書いていきます。

帆布リュック

帆布リュックらしい帆布リュック。

よちこ的には帆布リュックの方をみなさんにオススメしたいです。

その理由は……

  • 1.丈夫で長く使える
  • 2.とにかく軽い!
  • 3.水に強い!
  • 4.オールシーズン使用できる

甘いの辛いの取り混ぜて(なんだかだんごみたい)、この4つの理由があるからです。ホントは8個ぐらいあったんですけどね、長すぎるので4つに絞りましたよ。

1.帆布リュックは丈夫で長く使える

ドゥーマンフレーバーのロールリュック。

バカ兄弟こと、ドゥーマンフレーバー防水帆布リュック bpsmic003

帆布の読み方は「はんぷ」です。帆布は細い綿の糸を束ねて撚(よ)り合わせた撚糸(ねんし)を織り上げることで作られています。たとえ一本一本は弱い糸でも、束ねて撚って集まれば、強度と耐久性が高まるのです。

強度と耐久性に優れた帆布で作ったリュックは、とにかく丈夫。自然な風合いをお楽しみいただきながら、長く使えます。

2.帆布リュックは、とにかく軽い!

パーツと表面積が多いリュックは革で作ると、どうしたって重くなります。オイルでも入れようものなら倍率ドン! さらに倍。

軽量リュックを背負う女子

当店最軽量のリュック。480gです。

それにくらべて帆布づくりのリュックは、あっさり軽量。8~11号あたりの中厚手/薄手の帆布で作ろうものなら、ものすごく軽くできる。軽すぎて困る。ときどき背負っているのかどうか不安になるくらい。でも毎日使うリュックは、軽くないと長続きしない。肩がこる、腰が痛くなる。しまいに背負うのが面倒になってくる。だから軽くて丈夫な帆布リュックじゃないとダメなんだ(私は)。

3.帆布リュックは水に強い

かつては船の帆などの索具に使われていた帆布は、水に強いという特長があります。完全防水とまではいきませんが、雨や波などかぶっても中身が濡れにくいのです。

なので帆布リュックは基本、水に強い。雨を弾くぐらいの撥水性があります。ただし、気をつけていただきたい点が1つあります。

それは染色による撥水性の低下です。

帆布に色を染めていく工程を「染色」というのですが、むらなく色を染めるためにいったん生地を脱色させています。この工程で綿に含まれている油分が脱脂されてしまうため、ある程度は撥水性が落ちます。どのくらい落ちるかは、染色の程度によってまちまち。帆布の作りで、けっこう差があります。

オマケ「綿コラム」

脱脂綿って、ありますよね。あれじつは水分が浸透するように油(脂)を抜いた綿のことなんですが、綿は脱脂しないと水を弾いてしまう性質があるからなんですね。だから脱脂綿っていうのか! 知らなかった!

4.オールシーズン使用できる帆布リュック

帆布は織物であるため、織り目が隙間。ザルの目ようなものです。ところがすごいのが、こっから先よ。糸は水に濡れると繊維が膨らむため、このザルの目的な隙間が塞がって水がしみ込みにくくなり、いざ乾けばサラリ。風(空気)を通すという仕組み。なんだか啖呵売の口上みたい。

木漏れ日の中で帆布リュックを背負う

帆布リュックで夏も涼しく。

背中に背負いっぱなしのリュックは蒸れやすいですが、帆布リュックは通気性バツグン。夏でも蒸れにくい。ちょっと寒くなった季節に厚着しても、帆布素材は蒸れを適度に逃がしてくれるので、気持ちンよかといった顔で快適に過ごせます。

以上、スタッフよちこが帆布リュックをおすすめしたい4つの理由でした。

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